車検の見積もりを取ると、「ブレーキフルード(ブレーキオイル)の交換」、という項目が入っていることがよくあります。
あまり聞きなれない、ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは、いったいどんな物なのでしょうか。
交換しないと車検に通らないのでしょうか?交換費用はいくら位かかるのでしょうか?
今回は、車検とブレーキフルード(ブレーキオイル)のお話です。
この記事でわかること
ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは?
前置きになりますが、「ブレーキオイル」という呼び方は俗称で、正しくは「ブレーキフルード」です。
エンジンオイルのような、石油から生成された潤滑油ではありません。見た目がオイルに似ているので、ブレーキオイルと呼ばれることになりましたが、全くの「別物」です。
ブレーキフルードの成分
ブレーキフルードの成分は、アルコールを主成分としたグリコール系の化学品です。
本質の許可には厳しい規格があって、DOT規格に適合しないと製品として販売できません。
DOT規格は、アメリカの交通省(Department of Transportation)の略です。
主に沸点の違いで規格分けされています。
基 準 | 主成分 | ドライ沸点 | ウェット沸点 | 粘度(100℃) | 粘度(-40℃) | ph値 |
---|---|---|---|---|---|---|
DOT 3 | グリコール | 205℃以上 | 140℃以上 | 1.5cst以上 | 1500cst以下 | 7.0-11.5 |
DOT 4 | グリコール | 230℃以上 | 155℃以上 | 1.5cst以上 | 1800cst以下 | 7.0-11.5 |
DOT 5.1 | グリコール | 260℃以上 | 180℃以上 | 1.5cst以上 | 900cst以下 | 7.0-11.5 |
DOT 5 | シリコン | 260℃以上 | 180℃以上 | 1.5cst以上 | 900cst以下 | 7.0-11.5 |
DOTの数字が大きいほど、沸点が高くなります。サーキットなどでスポーツ走行をする車は、DOT5などを使っています。
一般的な乗用車にはDOT3、DOT4が使用されています。
ブレーキフルードの役割
車のブレーキは、液圧式(油圧式)ブレーキが採用されています。
ドライバーがブレーキペダルを踏むと、ブレーキシステムへ油圧として伝え、ブレーキを働かせます。
この仕組みの中で、油圧を生じさせながらスムーズに力の伝達を行う液体がブレーキフルードなのです。
ブレーキ フルードの交換時期は?
ブレーキオイルは、ブレーキを正常に作動させる上で欠かすことが出来ないものですが、交換の目安はどれくらいとされているのでしょうか?
普通乗用車でシビアコンディションでなければ、2年~3年、もしくは2万kmごとの交換を推奨しています。
ブレーキフルードの劣化判断は、ユーザーではつけにくいため、車検ごとの交換でいいと思います。
ディーラーの車検見積もりでは、「基本セット」に入っていることが多いです。
劣化したらどうなるの
ブレーキフルードは、劣化すると「沸点」が低くなってしまいます。そうなると、正常なブレーキシステムを維持できなくなり、ペイパーロック現象を起こしやすくなり、非常に危険です。
また、劣化したブレーキオイルは、吸湿が進んでしまい、ブレーキシステム内に錆を生じさせたり、ブレーキホースを劣化させる原因にもなります。
自分で交換できるの?
ブレーキフルードの交換は、車輌をジャッキアップしてすべてのタイヤを外す必要があります。
エア抜き作業は必須で、微調整や確認作業も必要です。ABSがついている車は特に注意が必要です。
また、塗装面にブレーキフルードが触れると、塗装に大きなダメージを与えてしまします。
安全に関わる作業ですし、手間やリスクを考えると整備工場やディーラーなどに依頼することをお勧めします。
車検の点検整備ではジャッキアップしてタイヤも外しますので、工賃も安く済むはずです。
車検時のブレーキ フルード 交換費用はどれくらい?
カー用品店での交換費用の目安:4000円~
ディーラーでの交換費用の目安:6000円~
(消耗品など部品代+交換工賃)
車検時ではなく、オイルフルードだけの交換なら、費用はもう少し高くなると思います。
車検を通す前に調べておこう!
車検は、まとまったお金が必要となります。結構な出費ですよね。
年式が経って、車検の回数が増えてくると交換部品も多くなって、なおさらです。
車検は「車の買い替えのタイミング」として一番多い節目です。
車検を通した後で、「買い替えとけばよかった!」となるかもしれません。
車検間近でも、思っているよりも高い査定が付くことも結構あります。
ですので、車検を受ける前に、少しでも買い替えが頭によぎったら、愛車の最新の査定相場を調べておきましょう。
車検を受けるかどうかは、この金額を見てから判断すべきです。
でも、車の査定相場はネットや雑誌で調べても「最新の相場」は載っていはません。
中古車の相場は、毎日行われている中古車オークションの売買価格に連動して、毎日変動しているからです。
あるのは過去のデータで、参考にもなりません。
では、どうすれば調べることができるのか?
こちらのサイトを使えば簡単な入力後、すぐに愛車の最新の査定相場がわかります。
同時に、複数の買い取り専門店に見積もりを依頼できますので、最高額で買ってくれるお店と金額もわかります。
もちろん無料で使えますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
「車検に出すかどうか?」の判断基準にもなりますよ。